どうでもいいことと平沢さんの新譜

平沢進さんの新譜『BEACON』が届いた。5曲まで聴いた。ここ最近、心身ともに体調を崩しかけているが、1曲目『BEACON』が流れた瞬間に、全部が軽くなった。これは比喩でもなんでもなく、確実に軽くなった。

平沢さんのCDを購入して、初めて聴く時はCDプレーヤーを使って、自室に音楽を染み込ませるように聴くのが好きだ。枕元にCDプレーヤーを置いて、布団を敷いて、天井を見ながら聴くと、壁に音楽が吸い込まれていくような気がして嬉しかった。でも、ずっと使っていたCDプレーヤーが壊れてしまったから、『BEACON』はノートパソコンから流して聴いた。音質にそこまでこだわる方ではない(CDプレーヤーも安物だったし)し、そもそも平沢さんの音楽は音質が悪かろうが感動が薄れることはないから、問題はなかった。

ただ、平沢さんの音楽を聴くにしては、私の部屋が汚い。新譜の発売日が決定してから、「平沢さんのために部屋の掃除、しなきゃな~」とは思いつつも、そんな気力が湧かなくて、とうとう家に届いてしまった。我慢なんてできなかったし、冒頭でも書いた通り、私は心身ともに弱っている。だから聴いた。床に物が雑に置かれている部屋で。『ただ』なんて枕詞を使ったが、結局のところ、部屋の汚さも別に感動に影響を及ぼすことはない。

部屋が汚い代わりに、カーテンを開けて、外を見ながら聴いた。自室に染み込ませるのも好きだが、空に飛ばすように聴くのも好きだ。雲が動きながら、赤くなっていくのを見つめて聴いていると、世界が広がるような気すら覚える。

『BEACON』は私の思う万全の環境では聴けなかった。少しもったいない気もしたが、平沢さんの新譜の持つパワーは、私の環境整備なんて関係なく感動を覚えるものだから、別にどう聴いてもいいのかもしれない。ここまでツラツラ曲の感想でもなんでもないどうでもいいことを書いといて結局それかいという感じだ。残り6曲は後で聴くか、明日聴くか悩んでいる。堪え性がないから、どうせ後で聴くだろうけど。